R-magazine-Vol.3

C O N F I D E N C E 代表の一柳泰造は、株式会社 Pivot を設立し北九州市で 一般廃棄物収集業(主 に遺品整理・孤独死・特殊清掃)を 営んでいた際に、「障がい者の孤独死」が 多いことに 気づきました。 障がい者の孤独死の現場は何もない寂 しい部屋にゴミと薬が山積みされている にことに心を 痛めました。 障がい者の部屋は一般人と比べて思い出 の品(写真など)がほとんどなく、片 付ける作業自体が悲 しくなるものでした。 そこで、4 年前に株式会社 SEO(就労継続支援 B 型・さ さえあい)を立ち上 げ、B 型事業所で働く障がい者の平 均賃金を向上させることに注力しました。 全国平均工 賃は約 220 円であるのに対し、北九州市では約 160 円 でしたが、努 力により株式会社 SEO の平均工賃は 550 円まで上昇しました。 しかし、「弊社だけが工賃 を上げても意味がない」と考え、昨年 10 月に北九 州 市門司区白野江にある旧特別支援学校(廃校)活用を通じ て、一般社団法人 「障がい者による SDGs」を立ち上 げました。 この取り組みはサポーター企業を募り、地 域全体で工賃の向上を目指していま す。 例えば、現サ ポーター企業からシール張りなどの仕事をいただくこと で、学校 から各就労事業所に仕事を振り分けることな どを考えています。 また、協賛金を基にイベントも開 催しており、今年 4 月には障がい者の成人式 を開催し 、障がい者の方々に思い出づくりの機会を提供していま す。 さらに、「障がい者を身近に感じてもらいたい」 という思いから、廃校に様々 な人々が関われるように しました。 その中でも「#白野江廃校コスプレ部」の活 動では、参加費の一部を廃校内清 掃を行う障がい者へ の工賃に充て、コスプレイヤーたちに障がい者の現状に 関 心を持ってもらっています。 また、撮影後の写真は Twitter で「#白野江廃校」のタ グをつけて共有され、 多くの人々に発信されています 。 この取り組みや障がい者の現状を多くの人々に知っ てもらい、目 標は障がい者が自立できる社会を築くこ とです。 一般社団法人「障がい者による SDGs」を通 じて、障がい者の雇用促進や社会参 加の機会を創出し 、障がい者の方々が自分自身を認められる場を提供して いき ます。 一般社団法人 「障がい者による SDGs」 理事長 一柳 泰造 談 1986年3月24日生まれ 幼少期から入退院を繰り返しながら生活し、地元の 保育園や小学校に入学し、中学・高校も地元の学校 に通った。 違和感を覚えたのは中学生ぐらいの頃。 友達との差が普通(一緒)にできない事が日に日に大き くなり違和感は絶望に変わって、自殺願望が強く なる。 そんな中、高校の友達に泣きながら「悲劇のヒロイ ンを気取るな」 まだ、お前は自分でできる事がたく さんある。 当たり前にできてる事ができない人がこの世の中に はたくさんいる。 と励まされ、人生の転機となる。 その後、障がいについて学ぶ中で、性同一性障害と いう概念を知ったが、心と身体の不一致は、自分も 感じていた違和感だったのですんなり受け入れるこ とができた。 そんな想いを表現するために、20代前半にはバンド 活動に力を入れる。その後NPOの理事となり、イベ ントを開催して関係性を変える活動を行った。 30代前半には起業し、障がいを持つ人々が集まる場 所を作ることを目指してBARを開業。 現在は就労支援やSDGsに関する活動を行い、障がい やLGBTQを超えた人間としての社会を作りたいと思 っている。 西川 翔平 談 page16

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