R-magazine-vol.5

KAZUMICHI KIDERA page4 もっと自由になりたい いつの間にか人の目を気にして無難に生きようとしている自分がいる しかしそんな中でも写真だけは自由に撮ってきた つもりであった R-magazineの連載の話を受けて これまで撮ってきた作品を眺めたときに「いつの間にか人の 目を気にして無難に生きようとしている自分」がいた まだまだ自分を貫く強さが足りない 自分の美意識を貫くこと 貫き死ぬこと 自分の美意識の根底に流れるものは分かっているつもりだ それは「滅びの美」 諸行無常の理にある此の世にて 花と咲き時の経過と共に 錆び朽ちて衰えていく様の美しさ 「侘び寂び」という言葉に置き換えてもいいだろう 不均衡な バランスの悪い 危うさ この連載ではそのあたりのことを考察したい 己の美への感覚に正直に 自由であること 最後に 写真はアートではない これは僕の持論であります 今回の連載はおよそ 180 年前の撮影技法でガラスに写す 湿板写真と、僕の心に一番馴染むライカで撮影した写真です

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